夏の「仮」日記

カリフォルニアの音大で、ジャズドラムを学ぶ人の日々の記録

素人なりにジャズの聴き方紹介してみた パート3

どうも、ここ最近は筋肉痛が2日遅れて出るようになったなつです。

 

だいぶ前に始めて途中で更新を放棄した企画を久々に再開します。

 

前回までの記事はこちら↓

素人なりにジャズの聴き方紹介してみた パート1 - 夏の「仮」日記

素人なりにジャズの聴き方紹介してみた パート2 - 夏の「仮」日記

 

これまでのパートでは、ジャズにとってはメインとなるソロの部分をすっ飛ばして、わかりやすい部分だけを聴いて楽しむ方法を紹介しました。

今日はいよいよソロの聴き方について少し解説します。

 

ジャズの最も一般的な進行はこんな感じです。

イントロ→テーマ(原曲のメロディ)→ソロ1→ソロ2→・・・→最後のソロ→テーマ→エンディング

 

イントロとエンディングはその場でそれっぽいことを適当に演奏するだけなので割愛します。

テーマは過去2回の記事で説明しました。

じゃあソロはどんなもんなのか。

 

ほとんどの場合、ソロ演奏者以外がテーマ部分と同じコード進行を演奏し、その上でソロ担当の演奏者がアドリブ演奏をします。つまり骨組みはテーマ部分と同じで、上に乗っかるメロディがアドリブになるということです。

 

ポイントはコード進行がずっと同じということ。

コード進行が同じだと、その進行の中で使える音も自ずと決まってきます。もちろん使ってはいけない音なんてものは存在しないのですが、それぞれのコードに対して使いやすい音と使いづらい音というのが存在します。例えばCmaj7というコードをほかの人が演奏していたら、ソロを演奏する人はド、レ、ミ、ソ、ラ、シの音を使ってメロディを作ろうとする場合が多いです。それがそのコードに乗っかるときれいに聞こえるから。

ということは、その限られた音の選択肢の中でいかに他人と違うことをし、自分らしさを表現するかというのがミュージシャンにとっての課題なわけです。そしてそのそれぞれのミュージシャンのオリジナリティを楽しむのがジャズなのです。

 

まだピンとこないという人は、平日朝の民放各局の情報番組を思い出してください。

大体の場合、その日に扱うテーマはどの番組も共通しています。誰かが不倫しただの、誰かが解散するだの、誰かが何かを歌ってYouTubeで話題だの、誰かが優勝しただの・・・。この共通したテーマを、ジャズで言うところのコード進行だと思ってください。

 

じゃあ同じことを伝えているのに、各番組はどこでオリジナリティを出すのか。

ずばり出演者のコメントでしょう。

同じ話題でも、小倉さんの反応と真矢みきさんの反応の仕方は違います。国分くんのコメントの仕方と山口くんのコメントの仕方だって違います。それらの違いによって、同じ話題のどこに焦点が当てられて、どこで笑いが起きて、どこで真面目な空気になるかが変わります。

SMAPの解散も、同じジャニーズ事務所の後輩である国分くんがコメントする場面のあるビビットと、スマスマという番組を放送していたフジテレビのとくダネ!では伝わり方が違います。視聴者の注目の仕方も変わるし、さらに言えば視聴者層も番組によって変わってくるでしょう。

 

この同じ内容をそれぞれの番組がどう伝えるかを比較するというのが、ジャズのソロの楽しみ方に似ているのです。

 

「同じ曲を演奏していて、同じコード進行を演奏しているはずなのに、この人の演奏は激しくて、この人の演奏は流動的・・・僕はこっちのほうが好きかな。」

「でもこの人はここでこんな突拍子もない事をやってるんだよ?それってすごいと思うな。だから僕はこの人のバージョンが好きかな。」

なんていう話をしながら楽しむのがジャズなのです。

 

なんとなくは伝わったでしょうか。

ちょっとここで一曲聴いてみましょう。

Miles Davis Someday My Prince Will Come - YouTube

白雪姫の映画に登場するとても有名な曲を、超有名なミュージシャンたちがカバーしています。

まずはトランペットのソロが1:15あたりから始まるので聴いてみましょう。なんとなくでいいので聴いてみましょう。飽きたらやめましょう。

次にサックスのソロが3:11あたりから始まるので聴いてみましょう。飽きたらFischer'sの動画でも見ましょう。

 

誰が聴いても二人のソロは「違う」と言い切れるでしょう。

トランペットは、フレーズとフレーズの間に休む場所が多く、一つ一つのフレーズも音の数が少ないです。全体としてゆったりとした印象を受けます。たまに原曲のメロディをなぞっているのもポイントです。

一方サックスは、休む場所もある程度は確保しているのですが、一つのフレーズに詰め込む音の数が比較的多いです。そして低いところから高いところに駆け上がったり、逆に低いところへ駆け下りたりとしています。個人的にはサックスのほうが早口で若々しい印象を受けます。

また、その2つのソロのコントラストを助長するかのようにバックで演奏しているドラムも、ソロがサックスに切り替わるところから音量を上げています。

 

こういった部分に注目して、違いを味わい、楽しむのがジャズの「粋な」楽しみ方なのです。

 

このあとも他の楽器がソロを演奏するのですが、それまで聴いてると確実に飽きるので今回は上記2つの楽器に絞ってみました。

多少なりともジャズのソロがどんなもので、ジャズが好きな人はどんなところに注目しているのかが伝わったらいいなーと思います。

 

今後も気が向いたらジャズの聴き方シリーズを更新していこうかな。

 

今日の一曲

日本のダサかっこいいパンクロックの代表。英語のヘタクソさがいいんです。あとエンディングのドラムがいいんです。

Hi-Standard - My Sweet Dog - YouTube